【専門店監修】冷凍餃子を美味しく揚げる|爆発させずにカリッと揚げるコツ

「冷凍餃子を揚げたら爆発して怖い思いをした…」
「カリッと揚がらずにベチャッとなる…」
そんな経験はありませんか?
冷凍餃子は手軽で美味しいですが、揚げ方には少しコツが必要です。特に「爆発」のリスクは、知らずに調理すると大変危険です。
この記事では、餃子専門店「ぎょーざやさん」が、冷凍餃子が爆発する原因から、誰でも安全に、そしてお店のようにカリッと美味しく揚げるための方法を徹底解説します。正しい知識を持って、安全で美味しい揚げ餃子を作ってみましょう。
【この記事の監修者】
<餃子専門店 ぎょーざやさん>
開業してから30年以上地元に愛される餃子専門店。肉と野菜を「3:7」の割合で配合した餡と、もちっとした食感の皮が特徴。口に入れるとジワーッと深い味わいが広がります。お子様からお年寄りまで多くの方にお喜びいただいています。
冷凍餃子を揚げると爆発する原因
冷凍餃子を揚げるときに爆発したり、激しく油がはねたりするのは、主に「水分」と「油の温度」が関係しています。安全に調理するためにも、以下の3つの原因を理解しておきましょう。
1.表面の霜や氷(水分)と高温の油の反応
冷凍庫から出した餃子の表面には、目に見えない霜や氷が付着しています。これが高温の油に触れると、水分が一気に気化して激しい水蒸気爆発を起こし、危険な油はねの原因となります。
2.急激な温度差による内部水分の膨張
凍った餃子の内部と高温の油には約200℃もの温度差があります。この急激な加熱によって、餃子内部の水分も急膨張し、皮の弱い部分を突き破って破裂(爆発)する可能性があります。
3.餃子の皮の傷やひび割れからの油の侵入
餃子の皮にできた目に見えない傷やひび割れも危険なポイントです。その隙間から高温の油が餃子の内部に侵入し、中の水分と直接反応することで、爆発を引き起こしやすくなります。
失敗せずに揚げる方法
冷凍餃子を揚げる際に爆発する原因がわかったところで、次はそれを防ぐための「4つの対策」を紹介します。冷凍餃子は、揚げる前に水分を除去したり油の適切な温度を調整したりすることで、調理の安全性が格段に高まります。
揚げる前に表面の霜を拭き取る
まず最も重要なのが、表面の霜を完全に取り除くことです。キッチンペーパーで餃子を優しく拭き、表面の霜や水分を徹底的に除去しましょう。この一手間が、激しい油はねを防ぐ最も効果的な方法です。見た目には霜がついていないようでも、冷凍庫から出したばかりの餃子には必ず微細な氷の結晶が付着しているため、丁寧に拭き取ることが大切です。
油の温度を160℃~170℃に設定する
次に重要なのが油の温度管理です。高温(180℃以上)な油は、爆発の直接的な引き金になります。160℃から170℃の比較的低温で揚げることで、餃子内部の水分が穏やかに加熱され、爆発リスクを大幅に低減できます。温度計がない場合は、菜箸を油に入れて細かい泡がゆっくりと上がってくる程度が目安です。
解凍せず冷凍のまま揚げる
冷凍餃子は解凍せず、そのまま揚げるのが鉄則です。解凍すると餃子から水分が出て皮がふやけ、揚げた時に油を吸ってベチャッとした食感になってしまいます。また、溶け出した水分が新たな油はねの原因にもなります。冷凍のまま揚げることが、安全かつ美味しく仕上げるコツです。揚げ始めは衣が固まるまで、最初の1~2分はあまり触らないようにしましょう。
しっかりと油を切る
揚がった餃子は、網付きバットやキッチンペーパーの上に取り、余分な油をしっかりと切ります。これがカリッとした食感を保つ重要なポイントです。油切りが不十分だと、せっかくカリッと揚がった皮も時間が経つにつれてべちゃっとしてしまいます。
プロのようにカリッとジューシーに冷凍餃子を揚げるコツ
基本の揚げ方をマスターしたら、次はワンランク上の美味しさを目指してみましょう。ちょっとした工夫で、お店のような絶品揚げ餃子が作れます。
追い小麦粉で衣をカリッサクッに
揚げる直前に、冷凍餃子に軽く小麦粉(または片栗粉)をまぶすテクニックがあります。この方法は、余分な水分を吸い取って油はね防止になるだけでなく、衣のような効果で食感が格段に向上するW効果があります。薄くまんべんなくまぶすのがポイントで、つけすぎると重たい仕上がりになってしまうので注意しましょう。
揚げ焼きで手軽にカリッと仕上げる
大量の油を使いたくない場合は、フライパンに1~2cm程度の少ない油を熱して揚げ焼きにする方法がおすすめです。この方法なら油の後片付けが楽で、カロリーも抑えられます。片面ずつじっくりと焼き揚げるのがコツで、焦らずに中火でゆっくりと加熱することで、外はカリッと中はふっくらと仕上がります。
二度揚げで中はジューシーに
プロの技として、二度揚げという方法があります。まず一度低温(160℃)でじっくりと火を通し、一度取り出して余熱で蒸らします。その後、食べる直前に高温(180℃)で短時間さっと揚げることで、外はカリッ、中はジューシーな最高の食感を実現できます。手間はかかりますが、その分より良い食感に仕上がります。
自家製冷凍餃子を安全に揚げるための注意点
市販の冷凍餃子は工場で急速冷凍され、輸送や調理を前提とした丈夫な皮で作られていることが多い一方、手作りの自家製餃子はそうではありません。冷凍保存する際の霜のつきやすさや皮の強度、具材の水分量など、市販品とは異なる点に注意を払わないと、爆発や失敗のリスクが高まることがあります。
ここでは、自家製餃子を最高の状態で安全に楽しむための、保存方法と揚げ方のコツを解説します。
ひび割れを防ぐ冷凍保存
自家製餃子を冷凍保存する際は、バットに片栗粉を敷き、餃子同士がくっつかないように間隔を空けて並べて急速冷凍しましょう。凍ったらすぐに密閉袋に移し替えます。この方法により霜がつきにくくなり、皮のひび割れを効果的に防げます。冷凍庫の開閉による温度変化も皮の劣化につながるため、なるべく奥の方に保存することも大切です。
揚げ時間と温度を調整
自家製餃子は皮の厚さや具材の水分量が一定ではないため、それに応じて揚げ時間と温度を調整する必要があります。皮が薄い場合は揚げ時間を短めに、厚い場合は長めにします。また、野菜が多いなど水分量の多い具材を使用している場合は、特にじっくりと低温で揚げて爆発を防ぎましょう。最初は様子を見ながら少しずつ調整していくことが大切です。
手作り餃子のくっつかない冷凍方法についてはこちらもご覧ください
安全で美味しい揚げ餃子を作ってみましょう
冷凍餃子を揚げる際の重要なポイントは、「表面の霜を取る」「低温でじっくり揚げる」「解凍しない」の3つです。この対策をするだけで、爆発の危険性は大きく減り、誰でもカリッと美味しい揚げ餃子を作ることができます。
揚げ餃子は、焼き餃子とはまた違った香ばしさと食感が魅力です。外はカリッと香ばしく、中はジューシーな具材の旨味が存分に楽しめる調理法として、ぜひマスターしていただきたい一品です。
そして、「ぎょーざやさん」の手作り冷凍餃子は、一つ一つ丁寧に包んでいるため皮がしっかりしており、揚げ調理にもぴったりです。この記事で紹介した安全な方法で、ぜひ当店の餃子を揚げ餃子としてもお楽しみください。きっと新しい餃子の魅力を発見していただけるはずです。